SPトローチは本当に処方する意味があるのか?

薬剤師のつぶやき

① SPトローチは「意味がある処方」か?

YES(ただし条件付き)

SPトローチは
「症状を取る薬」ではなく
「感染コントロール・保険的処方」
としては、今でも一定の意味があります。

ただし、

  • × 「のどが痛いからとりあえず」
  • × 「風邪=SPトローチ」

という漫然処方は、
薬理的にもエビデンス的にも弱いのが正直なところ。


② 医師がSPトローチを出す“本当の理由”

① 細菌感染の“可能性を否定しきれない”とき

  • 咽頭発赤あり
  • 白苔はないが、炎症はある
  • 抗菌薬を出すほどではない


「抗菌薬は出したくないが、何もしないのも不安」
という グレーゾーン対応


② 二次感染の予防目的

  • ウイルス性上気道炎が疑わしい
  • ただし粘膜障害があり、細菌増殖が起こりやすい状態


SPトローチ=口腔内環境を“悪化させない”ための保険


③ 口腔内処置後

  • 抜歯後
  • 口内炎
  • 軽度の歯肉炎

→この場合は
SPトローチの適応としてはかなり妥当


④ 「何か出さないと納得されない」処方

これは現実的な話ですが…

  • 軽症
  • すぐ治りそう
  • でも患者満足度が低いと予想される


安全域が広く、副作用が少ない薬として選ばれる。


SPトローチ(デカリニウム)の効能効果と内容

項目内容
主作用抗菌・消毒
痛み軽減ほぼなし
役割感染予防
エビデンスin vitro中心
向く症例軽度炎症・処置後

④ 処方を見たときの「薬剤師の読み」

● SPトローチ単独処方

  • 医師は「重症ではない」と判断
  • 抗菌薬は不要
  • 経過観察目的

服薬指導ポイント

「痛み止めではないので、
 強い痛みが続く場合は再受診を」

● SPトローチ+解熱鎮痛薬

  • 痛みは全身薬でカバー
  • 局所は感染予防

→ 処方意図としては一貫性あり。


● SPトローチ+抗菌薬

  • 正直 上乗せ効果は限定的
  • 口腔内清潔目的か、慣習的処方の可能性


疑義照会レベルではないが、
「なぜ?」と思ってOKな組み合わせ。

⑤SPトローチが“時代遅れ”と言われる理由

  • 痛み改善エビデンスが乏しい
  • 抗菌薬適正使用の流れ
  • 「消毒」より「症状コントロール」重視へ

→その結果
「効かないと感じる患者」が増えた

薬が悪いというより、使いどころが限定的


⑥ まとめ

SPトローチとは?

× のどの痛みを治す薬ではない

〇 口腔・咽頭の感染予防用補助薬

処方する意味があるのは?

  • 軽症
  • グレーゾーン
  • 抗菌薬を避けたいとき
  • 処置後

薬剤師として大事なこと

  • 患者の期待値を下げる説明
  • 症状が強い場合は他剤・再受診を促す

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