SPトローチが今も処方され続ける理由

薬剤師のつぶやき

① なぜ今もSPトローチは削除されないのか

結論

「効くから」ではなく
「安全・安価・責任を取りやすい」から


① 安全域が異常に広い

  • 局所作用
  • 全身吸収ほぼなし
  • 重篤副作用ほぼゼロ


高齢者・妊婦・併用薬が多い患者にも出しやすい


② 抗菌薬適正使用の“逃げ道”

  • 抗菌薬は出したくない
  • でも「何も出さない」リスクも取りたくない


SPトローチは
「抗菌薬を出さなかった証拠」
として機能する側面がある。


③ 保険制度的に「削る理由がない」

  • 薬価が安い
  • 使用量も限定的
  • 医療費インパクトが小さい


行政から見ると
「問題を起こしていない薬」


④ 日本の「消毒信仰」

  • うがい
  • イソジン
  • 消毒=安心


SPトローチは
文化的にも受け入れられている


② SPトローチを出す医師のタイプ別傾向

タイプ①:超保守型(ベテラン開業医に多い)

  • 「昔からこれ」
  • 重症化させなければOK

→処方特徴

  • SPトローチ単独
  • NSAIDsなし


薬剤師は説明重視
「効き目の性質」を必ず補足。


タイプ②:抗菌薬回避型(若手〜中堅)

  • AMR意識が高い
  • でも患者満足も必要

処方特徴

  • SPトローチ+カロナール


処方意図は一貫している
介入不要。


タイプ③:患者対応型(外来多忙)

  • 軽症
  • 説明に時間をかけられない

処方特徴

  • とりあえずSPトローチ
  • 説明ほぼなし


薬剤師の役割が最大化する場面


タイプ④:なんとなく惰性型

  • 前の医師の処方を踏襲
  • 深い意図はない

処方特徴

  • 他剤との整合性が弱い
  • 抗菌薬+SPトローチなど


「削ってもいい薬」候補


③ OTCトローチとの違い

一言でいうと

OTCの方が「効果の実感がある」
医療用の方が「無難」


SPトローチ(医療用)

観点内容
主作用抗菌・消毒
痛み軽減
エビデンス弱い
安全性非常に高い
期待値低く設定すべき

OTCトローチ(例:局所麻酔・抗炎症)

観点内容
主作用鎮痛・抗炎症
痛み軽減
即効感あり
副作用成分によりあり
患者満足高い


患者は「OTCの方が効いた」と感じやすい


⚠ OTCの注意点

  • NSAIDs含有
  • 局所麻酔で症状を誤魔化す
  • 使いすぎ


「効く=安全」ではない


④ 薬剤師としての“最適解”

SPトローチが出たら

  • ❌ 否定しない
  • ⭕ 役割を明確化

説明テンプレ

「これはのどの消毒薬で、
 痛みを取る薬ではありません。
 痛みが強い・続く場合は
 別の治療が必要です。」


✔症状が強そうなら

  • 再受診を自然に促す
  • OTC鎮痛トローチの自己判断併用を注意喚起

⑤ 全体まとめ

SPトローチとは何か?

  • 治療薬ではない
  • 管理薬・保険薬・安全薬

なぜ残っている?

  • 安全
  • 安い
  • 責任を取りやすい

まとめ

  • 薬の効果そのものより、安全で患者への満足度も高くなる。
    薬剤師から患者への説明の仕方で価値が決まる

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