薬剤師目線の漢方処方

薬剤師のつぶやき

① ツムラ漢方の基本的な考え方(西洋薬との違い)

■ 病名ではなく「証」を見る

  • 西洋薬:病名 × 成分
  • 漢方薬:体質・状態(証)× 方剤

薬剤師としては
→「この患者さん、冷え?虚?水滞?気滞?
をイメージできると一気に理解しやすくなります。


② 現場でまず押さえる「4つの視点」

服薬指導や疑義照会で使えるチェックポイントです。

ⅰ 虚実(体力)

  • 虚証:疲れやすい・痩せ型・胃腸弱い
  • 実証:がっちり・便秘・のぼせ

ⅱ 寒熱

  • :冷え、下痢、温かい飲み物を好む
  • :ほてり、口渇、便秘

ⅲ 気・血・水

  • :ストレス、張り、ため息
  • :血行不良、月経トラブル
  • :むくみ、めまい、雨で悪化

ⅳ 急性 or 慢性

  • 急性 → 即効性のある処方
  • 慢性 → 体質改善系

③ よく使うツムラ漢方(薬剤師が押さえる定番)

■ 補中益気湯(41)

適応イメージ

  • 疲労感、食欲不振、風邪をひきやすい

薬剤師ポイント

  • 高齢者・虚弱体質に多い
  • 抗がん剤・術後の体力低下で処方されがち

眠前でなく食前が原則


■ 加味逍遙散(24)

適応

  • イライラ、不安、不眠、PMS

注意

  • 「自律神経失調症」で漫然投与されやすい
  • 効果判定は2~4週間

→ 女性に多いが男性にも可


■ 抑肝散(54)

適応

  • 怒りっぽい、不眠、BPSD

現場あるある

  • 認知症患者に長期処方

甘草含有 → 低K血症注意


■ 六君子湯(43)

適応

  • 胃もたれ、食後膨満感、胃下垂

薬剤師視点

  • PPI+六君子湯の併用は多い
  • 食前服用が重要

■ 防已黄耆湯(20)

適応

  • 水太り、むくみ、汗かき

→ 「痩せ薬」ではないと説明必須


④ 服薬指導で必ず伝えること

✔ 服用タイミング

  • 基本:食前 or 食間
  • 食後だと効きが弱いことあり

✔ 味について

  • 「まずい」は正直に認める
    「効く成分が入ってる証拠」

✔ 効果発現

  • 急性:数日
  • 慢性:2~4週間

即効性を期待しすぎない


⑤ 副作用・相互作用(薬剤師の腕の見せ所)

⚠ 甘草(グリチルリチン)

  • 低K血症、浮腫、血圧上昇
  • 複数処方の重複チェック必須

代表例:

  • 抑肝散
  • 芍薬甘草湯
  • 小青竜湯 など

⚠ 麻黄

  • 動悸、血圧上昇、不眠

注意患者:

  • 高血圧
  • 心疾患
  • 甲状腺機能亢進症

⑥ 疑義照会の判断ポイント

薬剤師として確認したいケース

  • 虚弱高齢者に実証向け処方
  • 甘草重複3剤以上
  • 効果なく半年以上漫然投与
  • 症状と証が明らかにズレている

→ 「症状変化ありましたか?」を医師に共有できると◎


⑦ 薬剤師として一段レベルアップするコツ

  • ツムラの処方解説(公式)を見る
  • 患者の言葉をそのまま記録
    (「冷える」「張る」「重だるい」など)
  • 西洋薬で改善しない症状=漢方チャンス

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