頻出漢方と薬剤師目線の注意点

薬剤師のつぶやき

①よく処方されるツムラの漢方薬

🥇 抑肝散(ツムラ54)

主な処方背景

  • 認知症BPSD
  • 不眠・易怒性
  • 小児の夜泣き

薬剤師視点

  • 甘草含有 → 低K血症
  • 効果なくても「とりあえず継続」されやすい

3か月以上で変化なし → 疑義照会候補

患者説明に使える「一言フレーズ」

「神経が張りつめているのを、ゆるめるお薬です」


🥈 加味逍遙散(ツムラ24)

処方理由(医師側)

  • 「自律神経」
  • 「更年期」
  • 「なんとなく不調」

薬剤師視点

  • 便利な漢方でいろいろな症状で出やすい
  • 効果判定が曖昧になりやすい

「イライラ?不眠?ほてり?」を具体化して聞く

患者説明に使える「一言フレーズ」

「ストレスで乱れた自律神経を、じわっと整えます」


🥉 六君子湯(ツムラ43)

処方背景

  • 機能性ディスペプシア
  • 食欲低下
  • PPI+α

服薬指導の差が出る

  • 食前厳守
  • 「胃薬」ではない説明

患者説明に使える「一言フレーズ」

「胃を動かす力そのものを助けます」


4位:補中益気湯(ツムラ41)

  • 高齢者
  • がん治療後
  • 風邪予防目的

夕方の疲れに効くと説明すると納得されやすい

患者説明に使える「一言フレーズ」

「体のエネルギーを作る力を底上げします」


5位:防已黄耆湯(ツムラ20)

  • むくみ
  • 汗かき
  • BMI高め

⚠「痩せる」は絶対言わない

患者説明に使える「一言フレーズ」

「水分の代謝を良くして、体を軽くします」


②「この処方、合ってる?」の考え方(超重要)

ステップ① 症状が“証”に合っているか


▲ 冷え・下痢 → 黄連解毒湯
▲ 虚弱高齢者 → 大柴胡湯

寒熱・虚実の逆転は即NG


ステップ② 体型・年齢と合うか

体型向き
痩せ型・高齢補剤(41:補中益気湯,43:六君子湯)
がっちり瀉剤(8:大柴胡湯,62:防風通聖散など)

ステップ③ 「漫然投与」か?

  • 半年以上継続
  • 効果評価なし
  • 処方理由が誰も説明できない

薬剤師が唯一ブレーキをかけられる


③副作用・相互作用(深掘り)

甘草

リスク

  • 低K血症
  • 浮腫
  • 血圧上昇

「複数+長期+高齢」は要注意


麻黄

含有処方

  • 葛根湯
  • 小青竜湯
  • 防風通聖散

NG患者

  • 高血圧
  • 不整脈
  • 前立腺肥大

「動悸出てませんか?」を必ず聞く


④疑義照会テンプレ(実践)

ケース① 効果不明

「○か月服用されていますが、症状変化が乏しいとのことです」

ケース② 甘草重複

「甘草含有処方が複数ありますが、ご調整いかがでしょうか」

ケース③ 証ズレ

「冷えが強いようですが、実証向け処方となっています」

感情ではなく“事実ベース”で


⑤ 西洋薬でダメ → 漢方が活きる場面

  • 原因不明の不定愁訴
  • 検査異常なし
  • 高齢者の「なんとなく不調」

漢方は最後の砦ではなく“別ルート”


⑥薬剤師として漢方に強くなる最短ルート

やるべき

  • ツムラ公式処方解説
  • 症状ワードをそのまま拾う
  • 効いた/効かないを記録

▲やらなくていい

  • 難解な古典丸暗記
  • 証の細分化しすぎ

最後に

漢方は
「医師が出す」「患者が飲む」
その間にいる 薬剤師が一番コントロールできる薬 です。

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